ソーシャルファームとは
A型、B型就労継続支援事業やをソーシャルファームと呼んでしまう調査もあるが、はやりそれには違和感があって、以下のような”一般就労でも福祉的就労でもない、 第三の雇用の場”という定義が私にはしっくり来ますし、それが正しいのだと思います。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/cyousajigyou/dl/seikabutsu17-3.pdf
新しい障害者の就業のあり方としての ソーシャルファームについての研究調査(厚生労働省・平成 22 年度障害者総合福祉推進事業)
研究目的と背景 より:
「障がい者の就労に係る課題解決策の一つとして、一般就労でも福祉的就労でもない、 第三の雇用の場であり、現在欧州や韓国で発展しているソーシャルファーム(社会的企業)」
ソーシャルファームに欠かせない、障がい者を含めた多様 性のある人が働くことができる協働型システムの下で、市場価値のある商品・サービスを創出し、仕 事や収益をどのようにしたら生み出せるのか、その手法と可能性を探った。
※ソーシャルファーム(Social Firm)とは、「障がい者の雇用を前提とした事業運営システムの下、企業 的経営手法を用い、障がい者だけでなく、労働市場において不利な立場にある人々(いわゆる就労弱者) を多数(3割以上)雇用し、健常者と対等の立場で共に働くとともに、国からの給付・補助金等の収入を 最小限にとどめた組織体」と想定する。
現在の障がい者就労状況と、予想される今後の見通しから障がい者就労の課題を把握するとともに、 ソーシャルファームに期待される効果とは何かを考えた。
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3.ソーシャルファームへの期待
①税金の負担が少ない、福祉でも一般でもない障がい者雇用の場を増やせる。
②障がい者を含めた多様性のある人の雇用を目指すソーシャルファームでは、障がい者特性に適応し た作業システムや作業環境を構築することも目的としており、障がい者の雇用が拡大できる。
③生活できる賃金を障がい者にもたらすことができる。
④障がい者と健常者が一緒に働くことで障がい者が働く喜びと技能・専門能力を修得できる場となる。
⑤障がい者が仕事を通じて社会と接することで、社会参加の促進を達成できる。
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ここからはアウトラインを引用。
Ⅲ.研究結果・考察より
1.ソーシャルファームに適した仕事分野や業務設計
①仕事の機械化・自動化が困難であり、自動化による採算があわない仕事分野
②季節変動が少なく、年間を通して継続的に仕事がある仕事分野
③障がい者特性を活かし、生産や指導方法の工夫を行い、成果をあげる業務設計
③-1 障がい者が自立する力を養える作業環境を整え、特別視しない労働環境をつくる
③-2 障がい者の作業を減らさない程度の必要に応じた機械化するが、あえて手作業の部分を残す
③-3 障がい特性を活かした(障がいに合わせた)業務分担
④共生の精神の醸成
⑤地域住民や企業との連携、協働による事業展開
2.ソーシャルファームに適した産業分野
①リサイクル事業分野
②リネン、クリーニング分野
③清掃分野
④農業分野
⑥食品製造・加工・流通分野
⑦レストラン、飲食業分野
⑧陶器、革製品、木工品など手工芸品製造分野
労働市場において不利な立場にある人々(いわゆる就労弱者)の解釈は、「障害者手帳を持つ人に限定されない」ことが重要と思います。
ところで、特例子会社はソーシャルファームになるのでしょうか?