社会人でPSW(精神保健福祉士)とキャリコン勉強中のひと

社会人歴、はや20年近く。第15回キャリアコンサルティング2級技能士、第18回精神保健福祉士を同時に受けた時の記録とか、社会人入学から4年かけて卒業した大学院の話題とか。

PSW実習:精神病院 閉鎖病棟編

デイケアの3日間が終わると、病棟実習です。白衣を借りたので、思わず女子トイレで記念の自画撮りしました(笑)。

閉鎖病棟というと、多くの方にとって未知の場所なので、暗いとか、じめじめしたとか、怖いとか、そういうイメージを持つ方が多いと思います。でも実際は、普通の病院病棟と変わらない感じ。明るく清潔な雰囲気でした。

デイケアと比べると、入院患者さんは圧倒的に大人しく、うつむきがちで、相互の交流も多くありませんが、急性期の大変そうな方は見受けられず、変わった行動を取る方もほとんどいませんでした。独語(ひとりごと)をする方が時々見受けられるぐらい。と、まれに幻聴や妄想。あ、一人だけ、すぐに泣いちゃう患者さんがいましたっけ。でも本当にそのぐらいです。閉鎖病棟統合失調症の方が最も多いのですが、最近の薬が大変効きの良いものになってきていることを、病棟の雰囲気が物語っていたのでしょう。

病棟におけるPSWの業務は多岐にわたりますが、実習生は主に病棟で過ごすので、正直なところ、あまり実務に接する機会はありませんでした。入院時の諸対応、手続きや、退院前支援、退院後の地域移行・定着支援事業が中心かと思われます。

入院時の諸対応とひとことで言っても、急性期で大変な状況の方とか、自傷、他害の恐れのある方とかの対応も含まれるわけで、電子カルテや入院諸手続きの記録書類を見せていただきながら、病院PSWという”専門職能”ってスゴイなー、と感じ入りました。病院PSWを主役にしたドラマを作ったらすごいのができそう・・・と別の実習生の方がつぶやいていました。私もそう思います。刑事モノとか弁護士モノとはまた違ったヒューマンドラマが生まれそうです。茶化すつもりではありません。日常の中の非日常・・・病院の記録には、そういうエピソードが連なっています。

患者さんが閉鎖病棟に入院する主なきっかけをご存知でしょうか。統合失調症の方は、家族や周囲が連れてくるケースがほとんどだそうです。これはなんとなく分かります。鬱病の場合は、自傷等をきっかけとしたケースが多い。そして双極性障害は、借金とか自己破産とか、社会生活の破綻をきっかけに入院するケースが多いんだそうです。

教科書には、任意入院医療保護入院措置入院、応急入院のような入院形態の話は出ていても、こういうリアルな話は、実習先に行かないとなかなか学べません。

病院PSWの目下の課題は、長期入院の解消と地域移行。どこの精神科病院も共通して取り組み始めているテーマです。病気は、人生や生活から多くのものを奪います。そういう状態の方がリカバリーしていくプロセスを、様々な支援施設で働くソーシャルワーカーがサポートします。病気になる前と必ずしも同じ「形」で無くても良いから、色々な方法で、生きがい、やりがい、生活の安定を取り戻して行くのです。