PSW実習:就労継続A型事業 違和感の正体
実習の間ずっと、何かが心にひっかかっていました。なんだろう?喉かお腹の中に石ころでもあるような?なんとも言えないヘンな違和感。その正体が分かったのは、実習終了3日前のことでした。
大学の先生が巡回指導で再び実習先にやってきました。答えを導いたのは、実習中感じたこと等を色々とディスカッションする中で、先生が言った次のひとことでした。
「僕はそもそも、就労継続A型事業の制度には反対の立場でした。」
あ、それだーーー!って、つかえていたものが取れたような気がしました。元祖PSWというべきキャリアを持つこの先生は、日本の”隔離的な”福祉のあり方に強い疑問の姿勢を持つ方です。
A型で働く人たちの人柄は素晴らしいし、職員も所長も皆一生懸命だし、障害のある方々が社会に貢献できるのは良いことだし、お給料だってちゃんと出る。目の前に存在するA型事業所に対して、何か問題があるということではないのです。でも、私がずっと違和感を感じていたのは、「何故、就労継続A型が存在しなければならないのか?」という、A型の存在そのものに対する”そもそもの”疑問でした。
日本の一般企業における障害者雇用環境の未熟さを吸収する形で、A型事業所は存在しています。昨年は障害者の法定雇用率が引き上げられ、2018年には精神障害者の雇用も義務化されます。色々な試行錯誤や議論が待っているでしょう。でもそのようにして、欧米並みとはいかないまでも、少しずつ日本の障害者雇用環境が改善していくならば、A型事業所の形も、今とは違ったものになっていくはずだと思います。