社会人でPSW(精神保健福祉士)とキャリコン勉強中のひと

社会人歴、はや20年近く。第15回キャリアコンサルティング2級技能士、第18回精神保健福祉士を同時に受けた時の記録とか、社会人入学から4年かけて卒業した大学院の話題とか。

PSW実習:就労継続A型事業の収益のこと

2週間程度の実習で何が分かるわけでも無いですが、就労継続A型事業について、実習生の視点から、感じたことをまとめていきます。

A型事業所は市場原理と福祉共存する場です。(本来的な意味では、です。実際、共存できているかは分からない)。大きく分けて、オリジナル製品やサービスを開発して販売している事業所と、様々な企業からの業務を請け負っている事業所との2種類があります。私の実習先はオリジナル商品がありませんから、企業から請け負っている仕事が全てです。内容は実に様々。内勤では、ボールペンの組み立て作業、自動車用小物部品のヤスリ掛けやバンドル作業、文房具製品パッケージへのシール貼り。外勤では、クリーニング工場のプレス掛けやタタミ、仕分け、袋詰め作業、ペットボトルの分別作業等。

A型作業所の収益性を高める方法は、2つ考えられるように思います。

ひとつめは、実習先の企業さんの考えです。

(1)オリジナル商品やサービスを開発すること。請け負い型の仕事に比べて、利益率が圧倒的に高いためです。(実現すれば素敵です。メンバーさんのモチベーションも上がるでしょう)。

ふたつめは、現場で自分が感じたこと。

(2)請負型事業稼働率を上げること。(そのためにエージェント機能を設けること。)

とにかく作業間の空きが多くて、時間も人手も、もったいないのです。外勤の場合は、休憩スペースのようなところで1時間ぐらい待機することもザラ。内勤も、作業と作業の合間の時間は室内にただ飾るだけの手芸等の作業で時間をつぶしています。

その間にも人件費(最低時給分は保障しなければいけない)は発生していきますから、なるほど、これでは黒字にならないなあ、、、と、私のような実習生でもすぐに分かる程です。

なぜ作業時間の空きが出てしまうのか?理由は2つ考えられると思いました。

① 受注営業活動が活発に行われていないこと・・・現場は、日々の作業ハンドルや事務処理で手一杯、新しい仕事を開拓してくる時間はあまりないように見受けられました。さらに、職員はほとんど医療福祉業界育ちの方。テレアポとか営業とかとは少し縁遠い世界で育った方々に見えるのは私の偏見ばかりではないように思います。

② 受注量にムラがあること・・・今月と先月では作業の受注量が倍以上違う、なんてことは良くあるそうです。一社対一事業所でやっていますから、客先の需要量がそのまま作業内容となってしまう。そんな調子ですから、当然、手の空く人材が出てしまう・・・わけです。

いずれにしても、人手>仕事量 という状況は確かなようです。

①の問題も、②の問題も、エージェント機能があれば解決するのでは、と思いました。特に本社や本部がそれにふさわしいのでは、と思います。つまり、複数事業所を管轄している本社や本部が、受注開拓を一括で行う。それぞれの事業所の作業進捗やマンパワーをモニタして、仕事量の調整をする。そうすれば、事業所も作業進捗や人材育成に集中できるように思います。品質保証機能も持てれば、企業による就労継続事業所へのの発注がもっと一般化していくかもしれません。

さらに、そのうち、就労継続支援事業所のために、受注から仕事の振り分け、技能教育、納品までを代行するような専門エージェント事業者が出て来たら面白いと思うのですが。自治体をウンと言わせるまでが大変でしょうか・・・。